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このネタ何て言う?寿司ネタを英語で表現!生物学を駆使した本当の英訳

寿司の英語

海外のお寿司屋さんだけでなく、日本のお寿司屋さんでも英語のメニューを用意しているところもたくさんあります。 しかし、不思議なことに同じネタであっても英語のメニューとなるとお店ごとにネタの名前が違ってくることがあるのです。

例えば、ブリのことをYellowtailとしているお店もあれば、Amberjackと訳しているお店もあります。
いったいどっちが正しいのか分らなくなってしまいますね。

英語圏の多くの国々では日本ほどは魚を食べないので、どの英訳が正しいかは何とも言えない部分です。
このページでは生物学なども駆使して、寿司ネタの正しい英訳は何かを追及していみました。

アジはサバの仲間?マグロもカツオも全部サバだった

サバ寿司

まず、日本語のアジとは一般的にアジの一種であるマアジを意味します。
マアジは英語でJapanese Horse Mackerelと言うので、寿司ネタのアジもこれで問題ないでしょう。

寿司ネタとしては、ほかに間違いやすいネタはあまり無いので、単にHorse mackerelと呼んでしまって問題ありません。

アジは英語でHorse Mackerel、サバはMackerelです。
どちらも、Mackerelですが、サバとアジは同じ仲間なのでしょうか?

正しく言うと、日本語ではサバとアジは基本的に別の魚として区別されています。
しかし、サバの英訳であるMackerelは厳密にはアジも含まれるのです。

日本語と英語は1対1で翻訳が出来ないので、仮に翻訳をしても意味が微妙にことなってきます。

まず、日本語のサバとはサバ科の中でもサバ属・グルクマ属・ニジョウサバ属に分類される魚の総称で、生物学的に固有の種を意味する言葉ではないのです。 そのため、完全に一致する英訳はありません。

一方、英語のMackerelとは、サバ科の魚の通称で、実際にはサワラやマグロ、カツオなども含まれます。 また、一般的にはサバ科の魚の通称ですが、他にもアジ科などの遠海魚全般を意味する言葉としても使われています。

そのため、日本語のサバにはアジは含まれませんが、サバの英訳であるMackerelにはアジも含まれることになります。

サバとアジの英語

上記の図のように、Mackerelはアジやサバ、その他、マグロやカツオもすべてMackerelに分類されるのですが、主にサバ科の通称と言うことで、一般的に日本語のサバの英訳はMackerelとなっています。

ハマチ、ブリ、イナダは違う魚?カンパチも英語では同じ魚だった

ブリ

お寿司屋さんで定番のハマチやブリがありますが、これらの英訳はすべてYellowtailと言ってしまって問題ないでしょう。 また、他の言い方としてはJapanese amberjackとも言います。

その他にも、イナダやワラサ、メジロなどすべてYellowtailです。
なぜ、ここまで多くの魚が同じ英訳で通るのでしょうか?

それは、これらの魚はすべて出世魚となっており、全部同じ魚だからです。

まず、大きさによって呼び方が異なるだけでなく、地域によっても呼び方が全く異なります。

地域ごとの名前の違い
地域 名前の変化
関東 ワカシ → イナダ → ワラサ → ブリ
関西 ツバス → ハマチ → メジロ → ブリ
東北 ツベ → イナダ → アオ → ブリ
下北地方 フクラギ → イナダ → ワラサ → ブリ
北陸 ツバエリ → コズクラ → フクラギ → アオブリ → ハナジロ → ブリ
富山県 ツバイソ → コズクラ → フクラギ → ハマチ → ガンド → ブリ
山陰 ショウジゴ → ワカナ → メジロ → ハマチ → ブリ
四国・広島県 ヤズ → ハマチ → ブリ
九州 ワカナゴ → ヤズ → ハマチ → メジロ → ブリ → オオウオ

大きさや地域によって、ここまでたくさんの呼び方があります。
しかし、このような大きさや地域によって魚の呼び方が変わるのは日本特有の文化なので、当然英語で表現することは不可能です。

そのため、これらの呼び方すべてYellowtailと呼んでしまって問題ないでしょう。

それではカンパチも同じ魚?

カンパチ

上記で説明したように、ハマチ、ブリ、イナダなどはすべて完全に同じ種類の魚です。 生物学上の同じ「種」となり、全く同じ魚として分類されています。

英語ではすべてYellowtailと呼んでしまって問題がありませんが、別の言い方としてはJapanese amberjackとも呼ばれています。

しかし、カンパチは同じブリ属でも生物学的に種が異なっています。
それでは、なぜカンパチの英名はGreater amberjackなのでしょうか?

実は、英語のYellowtailは基本的に生物学的要素を無視するほど、幅広い魚に対して使われている言葉なのです。
生物学では最も細かく分類したものが種です。 種が同じであればほぼ同じ生物として認識されています。

種の上に属があり、ブリやカンパチの場合、種は違いますが、同じブリ属です。

しかし、英語のYellowtailの場合、属だけでなくさらにその上の分類である"科"が違う魚までも幅広くYellowtailと名付けられた魚がたくさんいるのです。
そのため、英語のYellowtailとはJapanese amberjack(ハマチ、ブリ、イナダなど)やGreater amberjack(カンパチ)も含まれることになります。

寿司ネタでYellowtailはハマチやブリ、イナダなどを意味する

このように、英語のYellowtailは非常に幅広い意味を持っており、ハマチやブリ、ヤナダなどの完全に同じ種類の魚だけでなく、種類の違いカンパチも含まれるのです。

ただ、寿司ネタの世界ではちょっと違います。 一般的に寿司ネタでYellowtailと言うと、Japanese amberjackを意味するのです。

つまり、カンパチは含まれず、ハマチやブリ、ヤナダなどの魚をYellowtailと呼びます。

もちろん、誤解を避けるためにお寿司屋さんによってはYellowtailを使わずに、Japanese amberjackとしているお店もあります。

ヒラメとカレイはどっちもFlat fish

ヒラメとカレイ

ヒラメとカレイはどちらも英語ではFlat fish、またはflounderと呼びます。
もしあえて区別するとすれば、ヒラメをlefteye flounder、カレイをrighteye flounderと呼ぶことはできます。

基本的に、英語圏では馴染みが浅い魚なので、文化的に浸透しておらず違いがあいまいになってしまうのです。

逆に英語では細かく分けても日本語ではあいまいな動物もいます。 例えばワニは英語ででは一般的にCrocodileとAlligatorの2通りの言い方があるでしょう。

CrocodileとAlligatorは同じワニ目(Crocodilia)であっても、科も違えば当然種も違うので生物学的にはかなりかなり離れている動物と言えます。 しかし、文化的にもともと日本人には馴染みのない動物なので、どちらもワニで統一してしまっているです。

当然日本語でも生物学の世界では区別されますが、一般的には区別されません。

このようにヒラメやカレイも英語圏では文化的に馴染みがないので、生物学的にも違う生き物だとしても、区別があいまいになってしまうのです。

色々な言い方をする鯛(タイ)の仲間

タイ

タイの仲間として、イシダイやキンメダイなどいろいろな種類がいます。 基本的にタイの英訳としてはSea breamが最も一般的にでしょう。

Sea breamとはスズキ目のタイ科の魚の総称です。 日本語のタイも同じくタイ科の魚の総称なのですが、一般的にはタイ科の中でもマダイを意味することが多いでしょう。

このように、一般的にタイの英訳がSea breamであっても、日本語と英語では意味する魚の範囲が違うのです。

また、日本語では名前にタイと付いている魚であっても、英語ではタイだと気付かないほど違った名前が付いていることがあります。

実はタイではなかった!キンメダイの正体とは?

キンメダイ

キンメイダは英語でSplendid alfonsinoと言います。 名前から、全くタイの面影は感じませんよね?

実はキンメダイは見た目がある程度タイに似ていることから日本語ではキンメダイと呼ばれていますが、実はタイの仲間ではありません。

日本語のタイも、英語のSea breamもスズキ目のタイ科の魚ですが、キンメダイは名前のまんまキンメダイ目に分類されます。
生物学的に"目"のレベルで違ってしまうと、キンメダイとタイは全く別の魚と言えるでしょう。

英語ではタイだとは想像もつかない名前ですが、実際にタイではないので、英語の方が日本語よりも正しいと言えるかもしれませんね。

イシダイとタイはちょっと違う?

英語のSea breamも日本語のタイも、どちらもスズキ目タイ科の魚を意味します。 日本語ではタイ科の中でもマダイを特に意味することが多いでしょう。

それではイシダイはどうでしょうか?

イシダイはスズキ目である事に違いはないのですが、"科"が違っており、イシダイ科に分類されます。 そのため、厳密にはタイとは言えないでしょう。

ウニは海のハリネズミ?

ウニは英語でSea urchinと言います。 urchinとはラテン語でハリネズミを意味する言葉なのです。

つまり、Sea urchinとは「海のハリネズミ」と言った意味ですね。

このように、地上の生き物に"Sea"をつけることで全く違う海の生き物を表現する英単語はいくつもあります。

例えば、Cucumberは野菜の「きゅうり」の事ですが、Seaを付けSea cucumberとすると「ナマコ」になります。 何となく、きゅうりとナマコは形が似ているので、このように呼ばれているんでしょう。

その他にもanemone(日本語:アニモネ)は地上にある植物の名前ですが、Seaを付けSea anemoneとするとイソギンチャクです。

また、日本語の漢字と同じ感覚で使えるのがSea cowです。 直訳すると海の牛となりますが、これはジュゴンやマナティーなどの海牛のことです。

日本語の海牛も漢字の意味は「海の牛」ですね。

鮭(サケ)とSalmonの違い

サーモンの寿司

お寿司屋さんでは基本的にサケのお寿司はありません。
そもそもサケは寄生虫が多く、日本ではもともと生で食べる習慣自体ないためです。

しかし、代わりにサーモンの寿司はどこのお寿司屋さんでも必ずと言っていいほど置いてあるでしょう。
実は寿司ネタとしてのサーモンは日本ではなくノルウェー発祥の寿司なのです。

ノルウェーに日本の寿司文化が根付いた後に、ノルウェー人が考えた寿司ネタとされています。

それでは、そもそもサケとサーモンの違いは何なのでしょうか?

まず、英語のSalmonとはサケ目のサケ科の魚を一般的にSalmonと呼びます。
そのため、マスなどもサケ科に分類されているので英語ではSalmonと呼んでしまって問題ありません。

これに対して日本語のサケとはサケ科の中でも特に、サケ属の中のさらにサケと呼ばれる特定の種類を意味しています。 すでにご説明したとおり、サケは寄生虫が多く寿司ネタとして食べることはできないのです。

ただ、場合によっては日本語のサケも少し広い意味で使われることがあります。 サケ以外にもニザケやギンザケ、キングサーモンなどもサケと呼ぶことはあるでしょう。

しかし、英語のSalmonほど広い意味で使われることはありません。

寿司屋のサーモンはニジマスだった

実はお寿司屋さんで提供されているサーモンの種類はサーモントラウトと呼ばれている種類で、和名ではニジマスの事です。
マスとサケは日本語では違う固有名詞なので、日本人の感覚だと全く違う魚というイメージがあるでしょう。

しかし、マスもれっきとしたサケ科の魚の一つです。 英語のSalmonはサケ科の魚全般を意味するので、ニジマスも立派なサーモンなのです。

ちなみにニジマスは英語でRainbow troutと呼びます。

お寿司屋さんで一般的にサーモンとして売られているニジマス
寿司のサーモン
一般的に日本で鮭(サケ)と呼ばれているシロザケ
サケ
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